猫好き必見。当たり前にあるしあわせを教えてくれる映画『世界から猫が消えたなら』【ネタバレ含む】

こんにちは! モリスギ!編集部のナナです。

突然ですが、モリスギ!に新しい仲間が増えたのでご紹介させてください。

にゃんこ
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ロケ弁当「楽GOHAN」公式エンタメ応援キャラクター “にゃんこ” だよ♪

これから、このかわいいにゃんこと一緒に当メディア「モリスギ!」を盛り上げていきます。

どうぞよろしくお願いいたします!

さて、カテゴリ「にゃんこのおすすめ」を新設しました。
「出会った猫ちゃんと一緒にしあわせに過ごそう」というテーマに添ったエンタメ作品を紹介していきます。

気になる第一弾は、映画『世界から猫が消えたなら』です。

猫好きのみなさんにとっては、タイトルを見るだけでも絶望の淵に陥ってしまうのでは?と心配してしまうレベルですよね。

主演の佐藤健さんと愛猫キャベツが、北海道の美しい風景を舞台に「当たり前の大切さ」について伝えてくれるあたたかい作品でした。とても心に深く響くメッセージを届けてくれますよ。

不思議なタイトルの意味も含めて、映画の魅力をお伝えしていきます。

映画『世界から猫が消えたなら』はどんな作品?

『世界から猫が消えたなら』(以下『せか猫』)は、2016年5月14日公開の劇場用作品です。

原作は、川村元気さんの同名小説。2013年に本屋大賞にノミネートされ、累計発行部数100万部を超えるベストセラーを記録しました。その感動の波紋は、中国・韓国・台湾とアジアにも広がり、“せか猫”の愛称でファンに愛され続ける物語となっています。

脚本は、岡田惠和さん。なにげない日常の中での人間関係を、繊細かつ魅力的に描く脚本にファンが多く、これまでたくさんの作品で観る人の心を揺さぶってきました。

主演は、佐藤健さん。郵便局員の「僕」と、余命を告げられた僕の前に現れる瓜二つの「悪魔」、一人二役を演じます。

「僕」を取り巻くキャラクターの俳優陣も豪華。元恋人役を宮﨑あおいさん、映画オタクの親友を濱田岳さん、距離を置いている父親を奥田瑛二さん、病気で死別した母親を原田美枝子さんが演じます。

ストーリーの中でとりわけかわいらしい存在感なのが、主人公・僕の愛猫、レタスとキャベツ。狂おしいほどの穏やかな愛らしさで、『せか猫』の世界観をやさしくつつみこみます。

主人公は30歳の郵便配達員。愛猫キャベツとふたりぐらし。
母を病気で亡くしてから、実家の父とは疎遠になってしまいました。
恋人はいません。別れてしまった彼女のことを、まだ想い続けています。
趣味は映画鑑賞。友だちは映画マニアの親友が一人だけ。
そんな彼が、ある日突然、余命わずかの宣告を受けてしまいます。
脳に悪性の腫瘍ができていたのです。
ショックで呆然とする彼の前に、とつぜん、自分と同じ姿をした悪魔が現れて言いました。
「世界から何かひとつ、ものを消すことで、1日の命をあげよう」…。
悪魔のささやきに乗せられた主人公は、次々とものを消していきます。
電話、映画、時計、そして、猫。
ところが、何かを消すと、大切な人たちとの思い出も一緒に消えてしまうことになり…
これは余命わずかの彼に起こった、せつなくもやさしい「愛」の物語です。
※文章引用:映画『世界から猫が消えたなら』東宝公式サイト「STORY」より

あなたにとって大切なものとは、なんでしょうか?

『せか猫』の世界では、電話、映画、時計を消していきます。 その結果として映し出される世界線の残酷さ。心をぎゅぎゅぎゅっと締めつけてきます。

この、観る人が大きく動揺してしまう理由とはいったい何なのでしょうか? 一つひとつ紐解いていきたいと思います。

※以降、ネタバレを含む感想になります。ご注意ください。

なにげなくある「当たり前」の大切さ

世界から猫が消えたなら
この世界はどう変わるんだろうか

世界から僕が消えたなら
いったい誰が悲しんでくれるんだろうか

映画は、美しい音楽と風景とともに「僕」のこのモノローグからはじまります。

その声を聞きながら、観る人は自然と、自分の人生において「猫と僕(自分)」が消えた世界をぼんやりと想像するでしょう。

でも、いまいちピンと来ないと思うのです。なぜなら、現実味がないから。猫がいる世界は当たり前になっているし、自分の存在だって生まれたと同時に自然と受け入れているからです。

しかし、映画のストーリーが進むごとにその意味がわかってきます。

悪性の脳腫瘍があると診断された僕は、医師に余命わずかと告知されます。そこに現れた僕と同じ顔をした悪魔。世界から何かひとつ消すとひきかえに、僕の命を1日与えてやると取引してきます。

そこで電話、映画、時計と、悪魔は僕の1日の命とひきかえに消していきます。

すると、僕は気づくのです。当たり前にあるものがひとつ消えると、大切な人との思い出もすべて消えてしまうと。

電話は、忘れられない恋人と出会うきっかけとなったものでした。命とひきかえに電話が消えてしまった世界になると、はじめからその恋人とは出会っていなかったことになり、「あなたは誰?」といった残酷な表情が返ってきます。

映画は、僕のゆいいつの親友“ツタヤ”とをつなぐものです。映画オタクのツタヤは、友達がいません。でも映画雑誌をみているツタヤに僕が声をかけたことで、ツタヤの映画魂に火がつきました。映画がそこそこ好きな僕は、ツタヤに「今みるべき映画」を紹介してもらうことに。いつのまにか、二人はお互いがなくてはならない存在になっていました。2日目の命とひきかえに映画がなくなり、ツタヤとの関係もなくなってしまいました。

次に時計。時計があったことで、恋人と待ち合わせてアルゼンチン旅行にいき、現地でバックパッカーとして世界旅行をするトムとの出会いもありました。そして、僕の父親の生業は時計店です。家族の生活をささやかに支えていた時計そのものが消えてしまいました。

最後に、悪魔は猫を消すといいます。しかし、これまでの人生を振り返ると、猫は家族そのもの。家族の思い出が両腕に抱えきれないほどにあふれてきました。

僕は、ようやく死を受け入れます。これまで僕が生きてきた人生は、すでに愛にあふれていました。“当たり前”が穏やかでしあわせな日々をつくってきたのだと、気づいたのです。

すると、悪魔の姿はいなくなりました。悪魔の姿は、死を受け入れられなかった自分自身そのものだったからです。

最後に、僕がこんなふうにつぶやきます

僕がいた世界といなくなった世界はきっと違うはずだと信じたい
本当に小さな小さな違いかもしれない
でもそれこそが、僕が生きていた証
もがいて悩んで生きてきた証

人の数だけ、人生があります。それぞれに、かけがえのない大切な思い出があります。それは、誰とも比べられない価値があるもの。

『せか猫』は、当たり前にある世界の大切さを、観る人の心にそっと届けてくれるのです。

「猫が人間のそばにいてくれてるのよ」

僕にとっての猫は、家族の思い出、愛、そのものでした。

僕は、小学生のときに捨て猫を拾ってきます。猫アレルギーの母親はちょっぴり困った顔をしていましたが、猫を飼うことに。レタスの空き箱に捨てられていたから、名前はレタスに決まりました。

僕と同じくらいの愛情をレタスに注いだ母親。母親に病気が見つかり、レタスも衰弱していきます。そして、母親の腕の中で穏やかに息をひきとります。

動揺する僕を制止して、母親はレタスの亡骸を抱っこしながら、こんなふうにやさしく声をかけます。

静かにしてあげて
やっと苦しくない場所にこれたんだから
つらかったね
ごめんね 何もできなくて
もうだいじょうぶ もう苦しくないからね

レタスが逝き、生きる意欲がなくなってしまった母親に、また猫を、と僕は考えます。すると、父親も同じ考えでいました。次は、里親募集のチラシをきっかけに引き取った猫をキャベツの空き箱にいれて、捨て猫という体で母親に差し出しました。笑顔が戻った母親に、父親は「名前はキャベツだな」とつぶやき仕事場に戻っていきます。

猫を通じて、感情がないと思っていた父親の愛情がわかってきました。父親はずっと不器用だったのです。言葉はなくてもずっと、母親と僕、レタスとキャベツを見守ってくれていました。

最後に、母親がキャベツを抱っこしながら僕にこんな言葉を伝えます。

わたし思うんだ
人間が猫を飼ってるんじゃない。
猫が人間のそばにいてくれてるのよ。

キャベツをお願いね
ねー
あ、ちがった キャベツ、この子をお願いね

猫が家族になったその日から。家族はみんな猫に支えられ、猫が家族を支えてくれている。
すなわち、家族の一員で、なくてはならない存在なのだと。 思い出を丁寧に振り返ったことで、僕がわかったことです。

「猫が人間のそばにいてくれてるのよ」

すてきな名言です。ずっと忘れたくないフレーズですね。

まとめ

映画『世界から猫が消えたなら』は、当たり前にあるもの、当たり前に続く日常こそが、かけがえのないものだと気づかせてくれます。

猫も家族の一員となった日から、家族の絆をつくっていく存在になっていくんですよね。

猫を飼っている方には、特に胸を大きく打たれるラストだと思います。まだご覧になっていない方は、ぜひ観てくださいね!

最後に、世界中の猫ちゃんが、レタスとキャベツのように、家族から愛される人生を歩みますように。そう心から願ってやみません。

編集長フジタ
編集長フジタ
にゃんこ!どこまでも一緒だよ〜!
ずっとそばにいてあげるにゃ♪
にゃんこ
にゃんこ

※参考サイト

映画『世界から猫が消えたなら』東宝内公式サイト

AmazonPrimeVideo、Hulu、Netflix、U-NEXT他で動画配信されています。

※「にゃんこのおすすめ」カテゴリの記事は、エンタメ応援と出会えた猫ちゃんとと最後まで一緒に過ごしてほしいという2つの活動方針の元に作成しています。

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ロケ弁当「楽GOHAN」公式エンタメ応援キャラクター「にゃんこ」について

こちらは、出会えた猫ちゃんと最後まで過ごして欲しいという想いを込めた作成した、絵本の朗読動画です。

<にゃんこから10の手紙>



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