【感想/映画『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』(ネタバレあり)】挫折した時、元気がほしい時に観てほしい

こんにちは! モリスギ!編集部のナナです。

イギリスで150万部を超えるベストセラーの実話が2016年に映画化、孤独な青年ジェームズと野良猫ボブが起こした奇跡の物語に世界中を感動に包みました。

にゃんこ
にゃんこ
主人公の肩に乗っちゃうイケメン猫ちゃんだよ!

ボブが愛おしすぎるので、猫好き必見!
編集部ナナ
編集部ナナ

本映画で特筆すべきは、ボブ役が本物のボブだということ。堂々とした自然な演技力に驚かされますよ。とにかく愛らしくかわいらしい表情が満載です。

2022年2月25日(金)には、待望の続編『ボブという名の猫2 幸せのギフト』が日本公開を控えています。

挫折を味わった人、光を見出したい人、そして猫好きな人にぜひ見てもらいたい作品です。

映画『ボブという名の猫 幸せなハイタッチ』はどんな作品?

『ボブという名の猫 幸せなハイタッチ』は、2016年公開のイギリス映画です。

親に見捨てられストリートミュージシャンとして生計を立てるホームレスの青年・ジェームズ・オーエン。自身の弱さから薬物に手を出し依存症にも苦しむ毎日。光の見えない暮らしの中、一匹の茶トラの野良猫と出会い、共同生活をして困難を支え合って小さなチャレンジを積み重ねて人生を好転させた実話を元にしたノンフィクションストーリーです。

原作は『 A STREET CAT NAMED BOB』(邦題:ボブという名のストリート・キャット)。2012年3月にイギリスで出版された後、ザ・サンデー・タイムズ紙によるベストセラー一覧に76週間連続でランクイン。さらに世界30カ国で翻訳出版され、累計発行部数は1,000万部を突破したほどの伝説の書籍となっています。

中でも注目したいのが、茶トラのボブ。本人(猫)役として映画に登場し、大きな話題を集めました。(※飼い主ボーエンより2020年6月15日に亡くなったことが報告され、世界は大きな悲しみに包まれました)


(C) 2016 STREET CAT FILM DISTRIBUTION LIMITED ALL RIGHTS RESERVED

ロンドンでプロのミュージシャンを目指すが夢破れ、ホームレスとなった青年ジェームズ。薬物中毒から抜けだせずどん底の生活を送っていた彼のもとにある日、一匹の野良猫が迷いこむ。ケガをしたその猫(ボブと命名)を有り金をはたいて助けて以来、ふたりはどこへ行くにも一緒、次第にその動向が世間の注目を集めるようになる。しかし、彼らの前に次々と試練と困難が立ちはだかり……。
(C) 2016 STREET CAT FILM DISTRIBUTION LIMITED ALL RIGHTS RESERVED.
※文章引用:Amazon prime video 映画『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』より

観ると心に灯がともりあたたかな気持ちになります。そして支えてくれる周りの人を改めて大切にしたくなります。ジェームズとボブから“ギフト”を分けてもらった多幸感に包まれますよ。

※以降、ネタバレを含む感想が続きます。未視聴の方はご注意ください。

茶トラの野良猫ボブ。愛くるしい存在が希望ある未来を想起させてくれる

本作品の主役はジェームズ。でも相棒猫ボブが本当に愛くるしく、ジェームズの肩にひょいっと乗ったり、ハイタッチをする姿につい顔がほころんでしまうほど。

美しい茶色の毛並みとジェームズを見つめるまんまるの瞳。ゴロゴロとのどを鳴らす音が随所に挟み込まれ、ジェームズを求める気持ちや愛情が表現されています。

そして、たくさん入るボブ目線でのカメラカット。ボブに向けられるジェームズの優しいまなざしを疑似体験することで、ボブが本当にしあわせなんだなと実感できるんです。

ストーリー後半の断薬中のジェームズが、特につらいシーンです。ジェームズの元を離れず心配そうに距離をとって見守るボブの健気な姿に、鑑賞する側も精神的に助けられるでしょう。

ボブの存在そのもので明るい未来につながるという安心感がありました。猫をはじめ動物の力は偉大ですね。

「ボブを助けたい」。未来につなげたジェームズの純粋な気持ち

薬物依存で生活もままならずホームレスとして暮らしていた青年ジェームズ。ソーシャルワーカーのヴァルの献身な後押しもあり、国が準備した住まいの支援を受けられることに、同時に更生プログラムに本気で向き合うことを改めて決心します。

そんな中部屋に迷い込んできたのが、茶トラの野良猫でした。

ジェームズは同じ境遇の猫を仲間のような気持ちで心を寄せ、猫の幸せのため飼い主を懸命に探します。しかし簡単には見つかりません。

世話ができる経済力のないジェームズは、野良猫として放すことしかできません。でもまたジェームズの元に帰ってきます。しかも大ケガをして。

ジェームズはいてもたってもいられず、犬を複数散歩させていた隣人ベティを尋ねます。受診無料だという動物病院に連れて行って手当を受けなさいとアドバイスを受け、猫に茶目っ気たっぷりに「ボブ」という名前をプレゼントします。

治療代は無料、しかし抗生物質の薬代は必要でした。ジェームズはボブのため全財産をつぎこみます。自宅でも逃げ回るボブに懸命に投薬しようと試みます。

ジェームズは自身の心の弱さゆえに薬物依存に陥ってしまいました。しかし傷ついたボブを介抱し自分の食事よりも薬代を優先してボブを生かすほど、心根はとても優しい人間だということがこの描写でよく伝わってきます。

そんなジェームズを頼りにするボブ。お互いに必要とし必要とされることで、特に自身の弱さと向き合い自立の道を歩もうと成長していくジェームズの姿に胸を打つものがあります。

ボブはきっと、ジェームズのもとにいたら自身がしあわせに過ごせることがはじめからわかっていたのかもしれません。

絶望から這い上がるには。一期一会の出会いを信じて諦めずに挑戦を続けること

本作品のテーマは「セカンドチャンス」です。ジェームズの歌にも「大事なのは 挑戦を続けること 挑戦を続けろ 諦めるな」と繰り返されるのが印象的。

親との軋轢からの孤独、ミュージシャンの夢が絶たれホームレスになりさらには薬物中毒になってしまうといったジェームズの境遇からは、過酷な現実を鑑賞側は否応でも突きつけられます。

ジャンキーでホームレスのジェームズが更生できたのはなぜでしょうか。

一つは、出会い。ソーシャルワーカー・ヴァルの献身的な支えだったり、隣人ベティが精神的に寄り添ってくれました。そして、ボブがジェームズを必要として住み着きました。社会復帰の際にも、多くの支援者に助けられています。

ジェームズはポジティブな出会いを遠慮せずに受け入れ、良好で健全なコミュニケーションを大切にしたことも人生を好転させたきっかけのひとつになっているのでしょう。

もう一つは、自身の弱さに打ち勝ったことです。一度薬物に手を染めると待っている、再び闇に引き戻そうとする“悪友”の誘い。ジェームズの優しさにつけこむ人も出てきます。

そして、薬物中毒という自身を襲うコンプレックスと世間の偏見の目。“セカンドチャンス”を阻む

言葉や視線にひるむことなく、自分自身を鼓舞するしかないのです。

何度も失敗するでしょう。絶望に打ちひしがれることもあるでしょう。でも寄り添ってくれる人たちと自分自身の力を信じれば、必ず夜は明けると教えてくれました。

本作品は、単純なサクセスストーリーではありません。奇跡を起こすためには、出会いやめぐり合わせを大事にし、自身に見切りをつけずに挑戦を続けること。人生に行き詰まりを感じている人にとって、たくさんのヒントが散りばめられていました。

映画『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』まとめ

ジャンキーに溺れかかったホームレス青年ジェームズと茶トラの野良猫ボブの友愛ストーリー『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』。

ジェームズとボブに寄せた懐の深い支援者たちが印象に残る反面、ジェームズ&ボブコンビに、嫉妬心を抱く人物たちももちろん登場します。

ただ、幸せそうな二人に嫉妬心を抱く人たちは、自身がドン底にいるときに傷ついたボブを前にして手を差し伸べたでしょうか? おそらく「NO」でしょう。しかし、貧困や困難に直面する多くの人は自分の命を守ることに精一杯です。

なにが正解かなど、誰にも答えは出せません。二人でつかんだ幸せに包まれるラストに感動しつつも、社会的弱者や動物への保護や支援という大きな問題についても改めて深く考えさせる作品でした。

2022年2月25日(金)には、本作の続編『ボブという名の猫2 幸せのギフト』が日本で公開されます。ぜひご覧くださいね!

映画を見てなにか少しでも自分にできることはないかと感じた方は、ジェームズ本人からのメッセージをどうぞ。

※映画『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』公式サイト
http://bobthecat.jp/

※動画配信サイト
U-NEXT、Netflix、AmazonPrimeVideo

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