ドラマが放送されたからこそ読んで欲しい原作漫画!

ゴールデンタイムのドラマが放送されるたび、人気のSNSであるツイッターのトレンド(話題)欄にドラマの名前が載ることがあります。「みんなが見ているドラマだけあって、やっぱり面白い!」と思ったりはしませんか?

 

当サイト『モリスギ!』では、ロケ弁当を配達しているご縁から、ドラマの話やグルメの話、ロケの話をお届けしてきました。いつも「今配信されている」番組をお届けしているので、今回は少し趣向を変えて、「ドラマが放送されたからこそ読んで欲しい漫画原作」をお届けします。

 

空前の漫画ブームで面白い漫画をいくらでも発掘できてしまいます。没頭していると時間が延々と溶けていくので、時間を濃厚なものにするためにも、あえてドラマが放送された後だからこそ読みたい、間違いのない漫画をご推薦します。

 

ドラマが放送された後だからといって、遅いことはありません。トレンドはありますが、名作や素晴らしい作品は時間を超えて心を動かしてくれます。よって、「今ごろ読むなんて恥ずかしいかも」なんて思うことなく、漫画原作にチャレンジしてみてください!

 

※今回は書影ご紹介の関係上、Amazonの表紙を使っていますが、Amazonアソシエイト(アフィリエイト)ではありません

 

『凪のお暇』コナリミサト

 

 

凪のお暇(なぎのおいとま)は、軽いタッチのコメディですが、現代人に刺さる何かがあります。空気を読むことを徹底し、人生のレールを逸脱せず、そこそこやってきた主人公・凪(なぎ)。しかしある日のこと、社内恋愛中の彼氏のひと言で、職場で過呼吸を起こしてしまいます。

 

空気を読むことに疲れた凪は、100万円を持ってキラキラ輝く東京から「都落ち」。都心を外れたカラッポのアパートで人生をリセットしようと試みます。アパートの住人、(元)彼氏、元職場の人達、家族など、人との関わりを通じて、成長していく凪ちゃん。。。

 

すれ違いラブコメの側面も持ちながら、ヒロインの成長物語でもある凪のお暇は、競争社会の現代における私たちの振るまい方や、個性的な面々に翻弄されつつも決して人生の傍観者でいてはいけないという勇気を与えてくれます。

 

ヒロイン・凪の魅力はなんといっても繊細さと自省力と節約力! 節約レシピ(#凪レシピ )をいくつかマネしてみました。

これだけ買って一食200円もかからないのと、凪ちゃんによれば豆苗は水をやると成長してまた食べられるらしいです。(恥ずかしながら知りませんでした)

節約レシピはこれからの時代、役立つのもあって、ぜひ読んでみてくださいね。

  • 豆苗と豚肉の炒め
  • にんじんサラダ
  • キュウリの塩昆布あえ

(キュウリは塩昆布と合わせて、タッパーでフリフリするだけです!)

 

『それでも愛を誓いますか?』荻原ケイク

 

 

それでも愛を誓いますか? は、子供が欲しいし夫には何の不満もないけれど、レスに悩む夫婦が、穏やかな日常から飛び出した結果、それぞれの愛のあり方を探していく物語。2022年5月現在、未完ですがドラマ化されています。心のよろめきはおそらく誰でもあることですが、自分ともパートナーとも、そして気になる人とも真摯に向き合っていくのは困難です。でもヒロインの純は持ち前のガッツで難局を乗り越えていきます。そこがたまらなく魅力的なのです。

 

愛を誓ったパートナーを生涯の伴侶として見ることを求められ、もちろんそれは素晴らしいことなのですが、離婚率が上昇しているのも現実。人生が長くなり、パートナーが変わることも前提とした社会に移行しつつある、そんな時代の空気感を敏感に読み取った漫画です。

 

どうしてここまで面白いのでしょうか・・・。おそらく、ただ欲望のままに行動するだけではなく、そこにはすれ違いがあり、ためらいがあり、真摯な話し合いがあり、人間の弱さがあり、葛藤があるからかもしれません。

 

かの村上春樹さんは、物語についてこういっています。

 

「物語は、言葉が失われてしまったところから動き始めます。それは人々の心の「共感装置」なんです。そしてそれはただ与えられるものではなく、そこにはあなた自身の探求が必要とされています。僕が書きたいのは、そういう小説なんです。」

 

物語は言葉が失われてしまったところから動き始める・・・。『それでも愛を誓いますか?』もまた何か(夫婦の営み)が失われた状態から物語が始まります。それでも自分の足で立とうとする純に励まされます。

 

『恋のツキ』新田章

 

 

『恋のツキ』はいわば略奪愛のお話です。といってもヒロイン・ワコが略奪される側。この絶妙な不快感モヤモヤ感が新田章先生の真骨頂で、先生はとにかく色々な意味で奔放かつ自由で魅力的な女の子を描くのが抜群に上手いのです。

 

多くの女性作家が描く漫画では、ヒロインは悩みながらも前に進み、自活の道を探ります。そこに読者は励まされるわけですが、新田先生の場合は少し違います。ヒロインは主体性を失っている場合が多いのです。求められるままに体を許してしまう貞操観念にやや問題がある女子が多く登場します。そこが絶妙にリアルで、女子に限らず人とはこういう存在なのかも知れません・・・。

 

ただ、「これをやりたい!」「これが好き!」そして「この人が好き!」という感情と向き合わないまま主体性を失った状態で幸せになれることは多くないので、ヒロイン・ワコも人生を放浪します。彼氏と別れてボロボロのアパートで暮らすのですが、『凪のお暇』のような明るい“人生リセット感”はなく、なんともさびれていて悲しくなるのです。

 

しかし意外なことに『恋のツキ』はハッピーエンド(?)でまとまります。そこが先生の腕といいますか、作品の読後感を良いモノにしてくれているのです。うーん、また読みたい!

 

まとめ

 

『凪のお暇』『それでも愛を誓いますか?』『恋のツキ』をご紹介しました。

今の漫画はステレオタイプな女性像が少なく、やたらめったら都合の良い異性も登場せず、現代独特の軽さとそうでありながら絶妙に刺さる表現で心を捉えてくれます。大抵、シリアスではなく、コメディっぽい愛(つまりラブコメ)なのですが、そうでありながら社会をとらえていて風刺っぽい部分もあり、面白くてついつい読んでしまいます。

 

自分のペースでページをめくれる漫画という存在だからこそです。丁寧にヒロインの心に寄り添いながら読み進めていけます。とても充実感のある漫画でしたので、ぜひお読みになってください!またモリスギのツイッターで感想を共有などできたら嬉しいです!

 



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