正義とは?情報とは?映画『新聞記者』編〜Googleマップで見られる埼玉ロケ地特集
※はじめに
こちらの記事には、政治的な意図が一切ないことを最初に書き記しておきます。
当メディア『モリスギ!』を運営する株式会社ラックは、埼玉県戸田市を拠点にロケーション弁当の製造・配達事業を行っています。それをきっかけにしてバーチャルロケ地めぐりの記事を主とし、埼玉県とエンタメ界を盛り上げる目的で当メディアを運営しています。
今回紹介する映画『新聞記者』についても、他の記事と作成意図は同じでございます。
こんにちは! モリスギ!編集部のナナです。
今回ご紹介する埼玉ロケ地になっている作品は、2019年公開の映画『新聞記者』です。
第43回日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀主演男優賞、最優秀主演女優賞の3冠を獲得したことで、こちらの作品を知った方も多いのではないでしょうか。
また、受賞したことにともない全国100以上の映画館でアンコール上映もされました。2019年の映画界に賛否両論の嵐を巻き起こした、メッセージ性が強い衝撃作品でもあります。
「国家権力とメディア」「組織と個人」といった重厚な社会的なテーマに果敢にチャレンジされた、シム・ウンギョンさんと松坂桃李さんの迫真の演技に終始目が離せません。
そんな日本の映画史に残る渾身の作品『新聞記者』に、埼玉ロケ地が2ヶ所採用されていました。さっそく映画の感想とともにご紹介していきます!
お品書き(目次)
映画『新聞記者』はどんな作品?
(※画像出典:PRTimes)
映画『新聞記者』は、2019年に公開された劇場用作品です。
東都新聞社会部に属する若手女性新聞記者・吉岡エリカ(演:シム・ウンギョンさん)と、内閣情報調査室で働く若手エリート官僚・杉原拓海(演:松坂桃李さん)が、立場を超えて手を組み、政府が影で進めている計画の真実に迫っていくというストーリーです。
<予映画告>
完全なフィクションでありながら現実世界に起きているかのような世界観で、「ここまで切り込んでくるのか!」といった攻めの姿勢が大絶賛されました。
官僚・杉原役を演じた松坂桃李さんは、日本アカデミー賞受賞式でこんなコメントをされていました。
この作品は僕の知る限りでは、実現するまでに二転三転四転五転くらいおそらく色々なことがあって、それでもこの作品をしっかりと映画を見てくださった方に届けたいという人が一致団結し、藤井監督の舵の元、撮影を終えることができました。
幾度もの壁をも乗り越えて世間に伝えたいメッセージとは一体何なのでしょうか。
今、あなたに問う。
これは、映画『新聞記者』のキャッチコピーです。
立場を超えて、お互いの信念のもとに力を合わせた吉岡と杉原。二人が最後に横断歩道越しに顔を合わせるラストシーンは非常に印象的で、それぞれ葛藤する胸の内が痛いほどに伝わってきます。その表情から、さまざまなことを考えるきっかけとなることでしょう。
個人的に強く感じたのは「あふれる情報に惑わされてはいけない」というメッセージです。
情報を発信する裏側にはどんな意図があるのか、登場人物それぞれの信念や背景、立場を通して情報はつくられ、選択され、世に出ることが映画を見るとよくわかります。
同時に、吉岡の父かつジャーナリストの吉岡信の言葉がリアルに心に刺さってきました。
「誰よりも自分を信じ、疑え」
さまざまな情報との向き合い方について改めて自分の頭で考えるきっかけを与えてくれる良作品だと感じました。
OAUの歌う主題歌が、秋にぴったり
主題歌は、OAU(オーエーユー)の『Where have you gone』です。
映画『禁じられた遊び』の名曲『愛のロマンス』をどこか彷彿とさせる物悲しい旋律。シンプルなギターが奏でる音色にのせてどこか遠くへ呼びかけるような歌声が、ラストのどうにも煮えきらない思いを癒やすかのように心に染み渡ってきます。
祈りが届く
絶望を取り去って
無力にあがく
君を見つけるまで
何処へ
何処へ
どこへ行ってしまったの
愛する人よ
(※作詞/MARTIN 日本語訳/TOSHI-LOW 作曲・Vocal/OAU)
ひとりでは何もできない絶望と無力にさいなまれる現実。でも、ただ「真実を知りたい」まっすぐな志を持つ人とともに手をとりあい、大きな権力に挑む姿を称える詩には、どこか哀しみにも似た色をまとっています。
祈りのような、暗闇の中に見えた一縷の望みような、主人公二人の気持ちに寄り添ったやさしい作品だと感じました。
ギターソロが秋にぴったりです。心に沁みますね・・・。
Googleマップで、映画『新聞記者』の埼玉県ロケ地をみてみる☆
映画『新聞記者』では、埼玉県の2ヶ所がロケ地として採用されています。
一つ目は、杉原(演:松坂桃李さん)の勤務する、内閣情報操作室のシーンです。
埼玉県の新座市役所内の会議室を使用したとのこと。作品クレジットでも、撮影協力でいちばんはじめに新座市役所の名前がありました。
二つ目は、作品終盤で吉岡(演:シム・ウンギョンさん)のスクープ記事が一面に掲載された新聞が印刷〜出荷されるシーン。埼玉県戸田市にある「埼京オフセット株式会社」の埼京工場で撮影されています。
Googleマップ搭載、ストリートビューの使い方
Googleマップの「ストリートビュー機能」を使って、世界中の名所をめぐることができます。
使い方は簡単ですよ。
1.スマートフォンに「Google Maps」アプリをダウンロード
2.「Google Maps」アプリを開く
3.検索窓で目的地を検索
4.ヒットした地図の左下にある、反時計回りの矢印が書かれた小さな写真をタップ
この流れで、ストリートビューを楽しめます。
見たい景色を見るには、画面をスクロールしたり、拡大したりします。
地図上で見たい場所を長押しすると、赤いピンで指定されます。ストリートビューが見られる場所には小さな写真が左下に出現します。
杉原が勤務する内閣情報調査室は、「新座市役所」
(※画像はイメージです)
内閣情報調査室そのものが新座市役所内につくられました。
新座市役所のホームページでも公開されています。(→こちらを参照ください)
物語では「内閣情報調査室」の組織自体はあり、実務部分は決して表舞台に出ることのない内閣府の闇の部分として描かれています。
その職場の風景が非常に異様な雰囲気を感じるような演出です。日中に仕事をしているのに、職場は薄暗くモノクロ調。働く人たちは、無表情で淡々とパソコン画面と向き合っています。
しかし実際の舞台となった新座市役所は、本編とは違い明るい中で公務されているのでご安心くださいね!
<アクセス情報>
・施設名:新座市役所
・住所:埼玉県新座市野火止1-1-1
・公式Webページ:新座市役所
スクープ記事が掲載した東都新聞が、印刷から出荷されるまでのシーンは「埼京オフセット株式会社」
(※画像はイメージです)
映画終盤の、吉岡の書いたスクープ記事が新聞として印刷されて出荷される工場のシーン。
こちらは、日々新聞印刷業をされている「埼京オフセット株式会社」です。
新聞が丁寧にスピーディーに刷り上がっていく様子に、情報が世に出る前の緊迫感が伝わってきました。
戸田市の小中学校に通うこどもたちのために、社会見学として学ぶ場にもなっています。情報を学ぶ一環として触れられる貴重な体験ですね。
希望すれば見学も可能とのこと。新聞印刷から発送まで、実際に稼働中の機械で見学できます。一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。
<アクセス情報>
・施設名:埼京オフセット株式会社
・住所:埼玉県戸田市上戸田1ー22ー6
・企業Webページ:埼京オフセット株式会社
まとめ
映画『新聞記者』は、メッセージ性の強い非常に重厚な社会エンターテイメント作品です。
社会派ドラマは見る人を選びますが、映画というメディアと、シム・ウンギョンさんと松坂桃李さんという注目の人気俳優が熱演したからこそ、多くの人に届き心を揺さぶらせたのだなと感じました。
自らの持つ正義のもと真実に迫る立場の違う主人公二人を通して、あふれる情報社会の中自分はどうありたいかを改めて自らを問い直すきっかけになる作品です。
AmazonプライムビデオやU-NEXTなどで有料レンタル配信されています。日本アカデミー賞3冠獲得した映画の真髄、ぜひ一度ご覧くださいね。
※参考サイト
※社会派エンタメ映画がお好きな方は、池井戸潤原作映画『七つの会議』もおすすめ
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