映画『キネマの神様』「テアトル銀幕」の映画館ホールはどこ?〜Googleマップで見られる埼玉ロケ地特集
こんにちは! モリスギ!編集部のナナです。
今回は、2021年公開の映画『キネマの神様』をご紹介します。
松竹映画誕生100周年を記念して製作された映画『キネマの神様』。
製作途中に新型コロナが蔓延し撮影が中断、主演の志村けんさんが新型コロナで急逝するなど、大きな悲しみと困難に立ち向かいながら長い年月を経て完成した作品です。
「映画を愛する人たちのための映画」として作られた本作品。『男はつらいよ』シリーズでおなじみの山田洋次監督がメガホンをとり、古き良き昭和の時代とあたたかい人間模様が描かれています。
さっそく作品の魅力と埼玉ロケ地となった場所をチェックしていきましょう!
お品書き(目次)
映画『キネマの神様』はどんな作品?
(C)2021「キネマの神様」製作委員会
ギャンブルと酒好きなゴウ(沢田研二)は、妻・淑子(宮本信子)や家族に見放されたダメ親父。そんな彼にも、たった一つだけ愛してやまないものがあった。それは【映画】–。行きつけの名画座の館主・テラシンとゴウは、かつて映画の撮影所で働く仲間だった。若き日のゴウ(菅田将暉)たちは、時代を代表する名監督やスター俳優に囲まれながら夢を追い求め、青春を駆け抜けていた。しかしゴウとテラシンがともに食堂の娘(永野芽郁)へ恋心を抱き、運命の歯車は狂い始める…。時代を越えて繰り広げられる、愛と友情の物語。若き日のゴウが信じ続けた“映画の神様”が、時を越えて奇跡をもたらす–。
(C)2021「キネマの神様」製作委員会
寝食を忘れるほどに夢中になったこと。志を同じくした仲間と夜通し語らい、時にはぶつかり合って笑った日々。そして挫折。
いくら自暴自棄になったとて、過去は変わらない。そして…あきらめずに愛をぶつけてくれる人たちがいるから、闇に光を見いだせるーーー。
『キネマの神様』は、当時の“活動家”を夢見た若者とその仲間たちが織りなす華やかな映画界でキラキラと泥臭く生きた人々の姿と、夢に破れて自堕落に生きる主人公とその家族が再生する様を、豪華キャストで描いた作品です。
日本映画の最盛期ーー。一般社団法人日本映画製作者連盟が発表した過去興行収入の過去データ一覧表(1955年〜2020年)によると、邦画547本公開の1960年がピーク、過去パートの時代設定はおそらく昭和35年前後でしょう。
映画監督を目指す若かりしゴウ(菅田将暉)、映写技師のテラシン(野田洋次郎)、銀幕女優の園子(北川景子)、撮影所近くの飲み屋の看板娘・淑子(永野芽郁)。
当時の映画づくりはすべて手作業。いい映画をつくるために、製作に関わるすべての関係者が体当たりでぶつかっていた時代は、スクリーンで見ていてもキラキラまぶしい。
助監督として奮闘する毎日の合間をぬって書いたゴウの脚本「キネマの神様」が認められ、ようやくチャンスを手にした初監督作品。しかし、極度の緊張で撮影が進まず、挙句の果てにはトラブルを起こして現場で大けが、初監督作品の野望は白紙に。
以来、自暴自棄に生きて家族に迷惑三昧のゴウ(沢田研二)。ギャンブル依存で多重債務を抱えた自堕落な79歳の老人に、かつての夢にあふれた面影はありません。
連れ添ってくれた淑子(宮本信子)には苦労ばかり、一人娘の歩(寺島しのぶ)はゴウの愚行に最悪家族の縁を切りたいとさえ願ってしまう…。
つらい空気ばかりが続く現代パート。令和時代に生きる私たちは、誰もが「こんな“毒親”は見放していいのでは?」と拒否感をも覚えるかも。でも、だからこそでしょうか、山田洋次監督は、あえて映画を観る人たちに“再生”という可能性の光を注ぎます。
これぞ昭和ならではの人情劇。ゴウを救おうと周りが奮闘します。王道のストーリー展開にご都合主義だなんて言葉は、いったん脳内から消し去って。あえて味わい尽くすのが、“粋”ってもの。
誰しも抱えた心の傷、葛藤、とりかえしのつかない後悔。声には出さないものの誰だってあるはず。ゴウに自分自身を重ねて共感する人も多いでしょう。
意固地になるがゆえに長年傷つけてしまった家族、そして往年の親友が、あきらめずにつながり続け、涙ながらにゴウの背中を押す姿。見ているとつい胸を打たれます。
夢をみる、打ち込むっていいな。家族って、人と人とのつながりっていいな。
シンプルな幸せの本質を気づかせてくれる映画です。
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ゴウ「何を楽しみに生きて行けばいいんだ、この俺は!」
歩「映画があるじゃない!」
⌬. 。#キネマの神様名言集✍️#キネマの神様 #キネマの神様みた pic.twitter.com/ZbgyvjSbhj— 映画『キネマの神様』公式【Blu-ray&DVD好評発売中!】 (@kinema_kamisama) August 7, 2021
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ゴウ「映画の中の華やかな世界と、
惨めな現実の対立―
どうだ、このストーリーは」▬▭▬▭▬▭▬▭▬▭▬▭▬▭▬▭▬▭#キネマの神様名言集✍️#キネマの神様 #キネマの神様みた pic.twitter.com/nxyBbhgrRy
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テラシン
「本気でそう思ってるなら、
今からでもやり直せるだろ、バカ野郎!」⌬. 。#キネマの神様名言集✍️#キネマの神様 #キネマの神様みた pic.twitter.com/vrV42G6upf
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ゴウ「にっこり笑ったりしてー
今頃どうしてるんだろうな、この娘」
淑子「どうしてるんだろうね。
幸せに暮らしているかしら」⿻───────────⿻#キネマの神様名言集✍️#キネマの神様 #キネマの神様みた pic.twitter.com/BGGhyFjMoy
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代役を引き受けた沢田研二さん。時折志村けんさんに見えるのが、とても不思議な心地になるのでした。
Googleマップで、映画『キネマの神様』の埼玉県ロケ地をみてみる☆
映画『キネマの神様』でも、埼玉県のロケ地が重要シーンで登場しています。
テラシンが営む名画座「テアトル銀幕」は、川越市にある「川越スカラ座」
年金が入ればギャンブルにつぎ込み、足りなくなれば消費者金融に手を染める。そして毎晩アルコールに溺れる自堕落な生活を送るゴウ(沢田研二)。
ひとり娘歩(寺島しのぶ)の職場に消費者金融からの取り立ての電話がかかってきたのをきっかけに、淑子と歩はゴウを甘やかすのを辞め再生させようと腹をくくります。
生きがいのギャンブルを取り上げられ「何を楽しみに毎日を過ごせばいいんだ」とわめくゴウに、歩は過去夢中になった映画を淑子がアルバイトとして働く名画座「テアトル銀幕」やテレビなどで毎日観ればいいと提案します。
「テアトル銀幕」のオーナーは、かつての撮影所での親友テラシン(小林稔侍)。彼の存在もまた、ゴウを苦しめるひとつの種ですが、ゴウの志を取り戻すきっかけになります。
この「テアトル銀幕」のロケ地が、川越市にある「川越スカラ座」です。ただ、外観やロビー、事務所はセットで、ホール内が使用されたとのこと。
「川越スカラ座」は、埼玉県最古の映画館。客席は124。おもにミニシアター系の映画を上映しており、地元民だけでなく映画ファンに愛されている場所です。
明治38年「一力亭(いちりきてい)」の名で、寄席としてスタートしたのがはじまり。時を経て、名前が様々に変わり、昭和38年に「川越スカラ座」として改名しました。
平成になり、若者がどんどん新宿や池袋など都会に遊びに行くようになったり、シネコンが乱立するようになり、地方映画館の客足はまばらに。
時代の逆風の煽りを受けて、平成19年5月に閉館しました。しかし、映画ファンの惜しむ声があがり、多くの支援が後押しとなって3ヶ月後には復活、今に至ります。手づくり感にあふれたロビーには、地元ならではの情報がたくさん。
今となっては貴重な存在の名画座。「キネマの神様」の雰囲気を体験しに、足を運んでみてはいかがでしょうか。
<アクセス情報>
・施設名:川越スカラ座
・住所:埼玉県川越市元町1丁目1−1
・公式Webサイト:https://k-scalaza.com/
【番外編】主題歌「うたかた歌」MVロケ地は、入間市にある「旧石川組製糸西洋館」
本作品の最後を締めくくる主題歌は、「うたかた歌」。
青春時代の若かりしゴウとテラシンを演じた、菅田将暉さんと野田洋次郎さん率いるRADWIMPSのコラボレーション曲です。
映画の余韻に心地よくひたれるメロディーラインは昭和40年代を彷彿とさせ、令和になじむ現代的なフォーク風アレンジ。心の涙腺スイッチを自然にオンさせる哀愁がたまりません。
このミュージックビデオのロケ地が、入間市にある「旧石川組製糸西洋館」。
2021年に上棟100周年を迎え、国の有形文化財にも登録されているた歴史的建築物です。
数々のドラマや映画、CMなどのロケ地として採用されており、モリスギ!でも取材をさせていただきました! 撮影裏話などたくさんのお話を伺いましたよ。
<アクセス情報>
・施設名:旧石川組製糸西洋館
・住所:埼玉県入間市河原町13-13
・いるま歴史ガイド「旧石川組製糸西洋館と周辺の文化財ー各部屋 西洋館本管1階」
まとめ
映画『キネマの神様』の埼玉ロケ地、川越市の「川越スカラ座」、主題歌『うたかた歌』のMVロケ地、入間市にある「旧石川組製糸西洋館」をご紹介しました。
人間誰しもが抱える挫折や心の痛み、家族の問題。かつての抱いていた夢や志を思い出して、本気を出せば、きっとやり直せる。失意のどん底にいたって、家族や仲間は信じ続けてくれて、再び自力で立ち上がるのを心待ちにしている。
様々な困難に見舞われたコロナ禍だからこそ、力をくれる作品だと思います。なぜなら、この『キネマの神様』という作品こそが、主演の志村けんさんが急逝し、初の緊急事態宣言で撮影が中断するなど未曾有の大きな壁と立ち向かい、映画関係者が力を合わせて創り上げたから。
渾身の作品、第45回日本アカデミー賞作品賞、最優秀賞に選ばれるでしょうか。期待に胸が高鳴ります。
3月11日(金)の授賞式前に、ぜひ一度ご覧くださいね。
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㊗第45回 #日本アカデミー賞
映画『#キネマの神様』
作品賞ほか7部門で優秀賞を受賞🎉
\🎬作品賞
🎬脚本賞 #山田洋次/朝原雄三
🎬撮影賞・照明賞 近森眞史・土山正人
🎬音楽賞 岩代太郎
🎬美術賞 西村貴志
🎬録音賞 長村翔太
🎬編集賞 石島一秀https://t.co/Xv7YQQL4Fu pic.twitter.com/E6nDDGDw1p— 映画『キネマの神様』公式【Blu-ray&DVD好評発売中!】 (@kinema_kamisama) January 18, 2022
◆作品情報
映画『キネマの神様』
公開日:2021年8月6日
出演:沢田研二、菅田将暉、永野芽郁、野田洋次郎、北川景子、寺島しのぶ、小林稔侍、宮本信子、リリー・フランキー、前田旺志郎他
原作:原田マハ
監督:山田洋次
脚本:山田洋次、朝原雄三
音楽:岩代太郎
主題歌:「うたかた歌」RADWIMPS feat.菅田将暉
配給:松竹
(C)2021「キネマの神様」製作委員会
※公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/kinema-kamisama/
※公式Twitter:https://twitter.com/kinema_kamisama
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