【坂戸市】松田龍平とオダギリジョーが話していた大学の門はどこ?映画『舟を編む』編〜Googleマップで見られる埼玉ロケ地特集
こんにちは! モリスギ!編集部のナナです。
今日は、2013年3月に公開された映画『舟を編む』をご紹介します。作品の後半で、埼玉県坂戸市がロケ地として登場していますよ。
『舟を編む』のポスタービジュアルが完成しました!こちらのポスターちらしは全国の上映予定劇場にて掲出・設置しております。お近くの劇場に足を運ばれた際は、是非チェックしてみてください。 pic.twitter.com/JSPLNgMU
— 映画『舟を編む』 (@funewoamu0413) January 24, 2013
辞書づくりプロジェクトを淡々と描く映画です。しかし、こんな地味なテーマが映画になり得るのかと邪険な気持ちで見始めましたが、主人公・馬締(まじめ)の唯一無二の純粋なキャラクターからどんどん引き込まれ、筆者自身もいつのまにか“舟を編む”おもしろさにのめり込んでいました
抜きん出た言葉のセンスにより、営業部からヘッドハンティングされた馬締光也(まじめみつや)。松田龍平さんが、ほとばしる情熱を秘めたキャラクターを繊細に演じきります。
そして、辞書編纂部に似ても似つかない“チャラ男”の西岡正志を、オダギリジョーさん。惰性で業務をこなしていたのが馬締に触発され、辞書づくりに夢中になっていきます。また、西岡も馬締にとってはなくてはならない存在になり、静かで確固たる友情が芽生えていきます。
【角田光代さん(作家)からのコメント】
一冊の辞書を作るとはなんと果てしないことなのだろうかと、観客である私たちが視覚をも用いて知るとき、その珍妙な人たちを、愛さずにはいられなくなる。#舟を編む pic.twitter.com/HGf0Zzf2mC— 映画『舟を編む』 (@funewoamu0413) April 11, 2013
言葉を生業とする著名人も大絶賛です!
それでは、映画『舟を編む』と埼玉のロケ地となった場所をご紹介します!
お品書き(目次)
映画『舟を編む』はどんな作品?
映画『舟を編む』は、2013年4月13日に公開された劇場用作品です。
「舟を編む」。不思議な響きのするタイトルには、スケールの大きな意味が隠されています。
・辞書は、言葉の海を渡る舟
・編集者は、その海を渡る舟を編んでいく
つくる辞書のタイトルは「大渡海」。24万語一つひとつの言葉を拾いあげ、丁寧に言葉を編み上げて多くの人を介してつくられる辞書はまさに航海中の舟そのもの。作品に触れるとその意味がストンと腑に落ちますよ。
原作は、三浦しをんさんの同名小説。女性ファッション雑誌『CLASSY.』2009年11月号〜2011年7月号にかけて連載、2011年9月に単行本化しました。2012年には本屋大賞を受賞、壮大なストーリーに多くの人の心を揺さぶりました。
執筆にあたり岩波書店と小学館の辞書編集部を取材、非常に説得力のある内容となっています。
また、作品は映画界に大きな功績を残しました。第86回米国アカデミー賞 最優秀外国語映画部門 日本代表作品になり、話題をさらいます。
次いで、日本映画の最高峰の栄誉第37回日本アカデミー大賞では、最優秀作品賞他6部門で最優秀賞を獲得。
・最優秀監督賞 石井裕也さん
・最優秀主演男優賞 松田龍平さん
・最優秀助演男優賞 オダギリジョーさん
・最優秀脚本賞 ・最優秀編集賞 ・最優秀録音賞
その他の賞レースでも、第68回毎日映画コンクール日本映画大賞、第38回報知映画賞作品賞、第26回日刊スポーツ映画大賞作品賞と、著名なタイトルを多く獲得した作品です。
そして、2016年10月〜12月には、テレビアニメでも放送されました。
「辞書をつくる」ことは、一見地味な仕事に感じます。しかし、時代とともに新しく生まれ続ける複雑な日本語を理解しようとし、世に正しく伝えようとした辞書編纂に関わった方々。その想像を絶するコツコツ積み上げていく仕事ぶりと情熱がほとばしる“凄み”を全身で感じる映画でした。
東京の出版社玄武書房にて、1冊の辞書づくりプロジェクトがはじまりました。
そのメンバーは、監修の松本朋佑(ともすけ・加藤剛さん)、松本が信頼する荒木公平(小林薫さん)、その部下の西岡正志(オダギリジョーさん)、事務方の佐々木薫(伊佐山ひろ子さん)。
ただ荒木が、定年後は病気の妻を支えたいともう一人増やしたいと言います。「右」をユニークに説明した営業部の馬締光也(松田龍平さん)こと“マジメ”がヘッドハンティングされることになり、仲間になることになりました。
営業部では、卓越したキャラクターを活かせず伸び悩んでいた馬締。それが辞書編纂部に異動になり言葉を一つひとつ丁寧に深堀りしていく作業のおもしろさにのめりこみます。そこで始まった、新辞書第1回編集会議。監修担当の松本は次のように伝えます。
「言葉の意味を知りたい」=「誰かの考えや気持ちを正確に知りたい」という、それは人とつながりたいという願望ではないでしょうか。だから私たちは、今を生きている人たちに向けて辞書をつくらなけばならない。「今を生きる辞書をめざす」のです。
人は辞書という舟で海を渡り、自分の気持ちを的確にあらわす言葉を探します。
それは、唯一の言葉を見つける軌跡。
誰かとつながりたくて、広大な海を渡ろうとする人たちに捧げる辞書、
それが、大渡海。
松本の言葉に深く感銘を受けたマジメは、まず「用例採集」からはじめます。過去に編纂された100万語から言葉を拾っていく、気の遠くなるような作業です。
そして、馬締の住む下宿先・早雲荘の大家タケが孫を呼び寄せて、同じ屋根の下に住むことになりました。タケの愛猫トラが迷い込んだ先に立っていたロングヘアーの美女に、馬締は一目惚れ。そう、馬締は林香具矢(宮﨑あおいさん)に恋をしたのです。
西岡らは、そんな馬締を愛情をもってからかいますが、松本は生きた経験こそ語釈が説得力のあるものになると「恋」の見出しを馬締に託すことに。
言葉のプロなのに、自分の気持ちを言葉で伝えることが苦手な馬締。香具矢との距離をどう縮めるのか? そして無事に恋の語釈は完成するのか!?
紆余曲折ありながらの「舟を編む」日々、「大渡海」は無事に完成するのか。13年に渡る壮大なストーリーをぜひご覧ください!
分厚い辞書は、こんなふうに時間とたくさんの人を介して、ようやく世に送り出されるものなのか、と丁寧なモノづくりに心から感動しました。何かに取り組む人にとって、非常に刺激的な作品です。
そして、個人的にとても印象に残ったセリフを紹介させてください。
序盤、馬締が大家のタケさんと晩ごはんを食べるシーンがあります。相手に気持ちを伝えるのが苦手で、他の人の気持ちがわからないとタケさんに悩みを打ち明けます。
でもタケさんは、こう返すのです。
えー?他の人の気持ちがわからないなんて当たり前じゃないかー
わかんないからその人に興味持つんだろ?
わかんないから話をするんだろ?
辞書づくりっていうのは言葉を使う仕事だろ?
だったら、その言葉使わなきゃ。がんばってしゃべんなきゃ。
若いうちに一生の仕事をみつけて、それだけでもみっちゃん幸せなんだから
あとはずっといくだけだよ。できるよ、みっちゃんなら。
他人がわからないからこそ、言葉を使って伝える。知りたいからこそがんばって、適切な言葉を選んで伝える。
タケさんのシンプルすぎる返答かつ激励に、馬締だけでなく多くの人を勇気づけるのではないでしょうか。
他にも、含蓄ある言葉がたくさん登場します。ぜひチェックしてくださいね!
Googleマップで、映画『舟を編む』の埼玉県ロケ地をみてみる☆
映画『舟を編む』では、埼玉県坂戸市がロケ地として採用されています。
Googleマップ搭載、ストリートビューの使い方
Googleマップの「ストリートビュー機能」を使って、世界中の名所をめぐることができます。
使い方は簡単ですよ。
1.スマートフォンに「Google Maps」アプリをダウンロード
2.「Google Maps」アプリを開く
3.検索窓で目的地を検索
4.ヒットした地図の左下にある、反時計回りの矢印が書かれた小さな写真をタップ
この流れで、ストリートビューを楽しめます。
見たい景色を見るには、画面をスクロールしたり、拡大したりします。
地図上で見たい場所を長押しすると、赤いピンで指定されます。ストリートビューが見られる場所には小さな写真が左下に出現します。
松田龍平がオダギリジョーに、辞書編纂部を辞める真相を確かめにかけつけた東京中央大学は「城西大学 坂戸キャンパス」
馬締が対人コミュニケーションが苦手だからという理由で、代わりに辞書執筆依頼を受けに東京中央大学に赴いていた西岡。
西岡不在の玄武書房の社員食堂で、西岡の同僚であり彼女の麗美(池脇千鶴さん)から、西岡が辞書編纂部から広告部に異動になるという話を聞きます。
大渡海プロジェクトスタート当初。西岡にリードされて時には多大の信頼を寄せられ、そして馬締の恋愛を影から支えてくれ、公私ともに着実に成長した馬締。この日も、苦手な営業仕事を代わりに引き受けて大学に赴いてくれています。
いつもそばには西岡がいてサポートしてくれていた。西岡がいない辞書編纂部は考えられない。
その衝動からすぐに玄武書房を出て、東京中央大学へ走ります。
馬締が大学の正門に着いた頃には、西岡も要件を済ませ会社に帰ろうとしているところでした。
不安でたまらない馬締は西岡に詰め寄ります。
馬締:なんで西岡さんなんですか
西岡:じゃあお前は「大渡海」降りるのかよ?
馬締:僕ひとりじゃ無理です
西岡:だいじょうぶだよ、お前ならきっとできるよ
大渡海プロジェクトで培われたもの。ただ言葉とその意味を丁寧に編み上げていくだけでなく、二人の友情も頑丈で太い糸に育まれました。
西岡がひょうひょうとしつつも熱い心根の男だとわかり、馬締がひとり静かに決意をするこの東京中央大学正門のロケ地が、埼玉県坂戸市にある「城西大学坂戸キャンパス」です。
二人は多くのことは語りません。表情だけで様々な感情を読み取ることができる名シーンでした。
西岡は辞書編纂部からは離れ、広告部に異動になります。「大渡海」出版時の活躍もあわせて必見ですよ!
<アクセス情報>
・施設名:城西大学 坂戸キャンパス
・住所:埼玉県坂戸市けやき台1丁目1
まとめ
(※香具矢のつくる和食。『舟を編む』の世界観をぐっと深いものにしています)
映画『舟を編む』の埼玉ロケ地は、坂戸市にある「城西大学坂戸キャンパス」でした。
“舟を編む”という辞書を作り上げていく情熱。映画の設定では、およそ13年にも渡る「大航海」です。その壮大な世界に触れた後は、観た人に大きな心の変化が生まれていることでしょう。
2013年の映画公開から8年もの月日が流れた現代、デジタル機器が世の中を席巻し、SNSが全盛期です。自分の言葉をオンラインで気軽に発信できるようになった反面、言葉が一方的にひとり歩きし、誰かを傷つけるものと化しているのも事実です。
「言葉の意味を知りたい=誰かの考えや気持ちを正確に知りたいという、それは人とつながりたいという願望ではないか」
「大渡海」監修の松本の言葉を折に触れて思い出せば、言葉が刃となることがないのではと、映画を見ながら感じました。
膨大な時間をかけて編んでいく辞書づくりの裏側、ぜひ一緒に航海をともにしてみてください。令和の時代だからこそ、それぞれに胸に響くものがあると思います。
※参考サイト
『舟を編む』公式Webページ
※『舟を編む』を鑑賞できる動画配信サービス
AmazonPrimeVideo、U-NEXT、Netflix、dTV
※宮﨑あおいさんが出演する映画『世界から猫が消えたなら』もぜひチェック
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