
【映画『翔んで埼玉』感想】埼玉をここまでディスっていいんですか?腹筋崩壊したので見どころを全力レビュー
こんにちは! モリスギ!編集部のナナです。
読者のみなさま、ごめんなさい。先に謝らせてください。
『埼玉県戸田市発、弁当屋が限界に逆らっていくメディア』として運営しておきながら…大事な映画を紹介するのをすっかり忘れていました。
埼玉発で埼玉応援といって埼玉ロケ地を紹介しておきながら…とんだ失態をお許しください。後悔、後悔の極みです。
今回紹介するのは・・・映画『翔んで埼玉』です!
埼玉をディスりまくった空前絶後の映画作品にも関わらず、日本アカデミー賞で最多12部門で優秀賞を受賞してしまった『翔んで埼玉』。
その秘密とは何なのか?感想と見どころを全力で紹介します!
お品書き(目次)
映画『翔んで埼玉』はどんな作品?
映画『翔んで埼玉』は、2019年2月22日に公開された劇場用作品です。
原作は、魔夜峰央(まやみねお)さん。1982年から翌83年に同タイトルの作品を発表、30年の時を経て実写化。
魔夜峰央さんは伝説の少年漫画『パタリロ!』の原作者でもあります。美しくもおかしく独特な世界観をつくりあげた方ですよ!『翔んで埼玉』にもカルピス原液並みの濃いキャラしか出てこないのは間違いないですね。

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皆さん#日本アカデミー賞
見てくださいましたか??
🌱👑🌱👑🌱👑🌱👑🌱👑受賞者の皆様
おめでとうございます㊗️
そして、お疲れ様でした🎊ステキな笑顔を
届けさせてくださいたま〜☆彡#翔んで埼玉🌱#実は蝶ネクタイがおしゃれなんだぞ pic.twitter.com/dley8ek6tI— 映画『翔んで埼玉』公式 (@m_tondesaitama) March 7, 2020
監督は、武内英樹さん。『テルマエ・ロマエ』でメガホンをとり、劇場を爆笑の渦に陥れたのは2012年のこと。ファンタジーなのか現実なのかわからないギャグストーリーの世界観を徹底してつくりこみ、笑ってしまうほど大真面目に描ききる作風が人気です。
今作品でも埼玉県をこれでもかとディスりまくった作風にも関わらず、第43回日本アカデミー賞で作品賞をはじめとする12部門を受賞。
世界観のつくりこみ方、ストーリーの魅せ方に一気に引き込まれ、2時間超があっという間に過ぎていきました。
Amazonプライム、FODプレミアム、U-NEXTなど8社で動画配信されています。 家族でぜひ大笑いしてください!
「翔んで埼玉」の再上映が決定、東京・埼玉の4劇場で実施https://t.co/7lhYI7vnOo
#二階堂ふみ #GACKT #翔んで埼玉 pic.twitter.com/O1BZvtltem
— 映画ナタリー (@eiga_natalie) February 21, 2020
平成最後にして最大の「ディスり合戦」茶番劇
全人類に告ぐ 世界よ これが埼玉だ
映画の序盤は、鑑賞しているすべての人に向けた挑発的なメッセージからはじまります。
つい「なんやねん、オイ!」とはじめから失笑。スタート数秒だけで「平成最後にして最大の茶番劇」の意味をすんなり理解します。
映画のはじまりは、現代を生きる埼玉在住の3人家族が東京へ向かうところからスタート、ラジオから聞こえてくる「埼玉の都市伝説 麻実麗(あさみれい)」の物語。
映画の舞台は都市伝説の内容へ。豪華絢爛な高校の学園に、金髪ソバージュの男子高校生「壇ノ浦百美(だんのうらももみ)」(二階堂ふみさん)と、転校生の帰国子女で外国語堪能な「麻実麗」(GACKTさん)がさっそうと登場です。
映画の世界では、埼玉県民はとことん蔑(さげす)まれています。埼玉県出身の学生が集められた校舎は、とても劣悪な環境。体調を崩しても保健室を利用できないひどい始末。
主人公で生徒会長である壇ノ浦百美には「埼玉県民はそこらへんの草でも食わせておけ!」と罵られ・・・
正直「ひでーな・・・」と思いながら、映画でここまで徹底的にディスっているのがおかしくてたまらなくなります。
脳内ショート現象。埼玉ディスりを受け入れないと、この先まともに鑑賞することができなくなるのです。
生粋の埼玉県民である当メディア編集長フジタに映画の感想を聞いてみると・・・

へ、編集長!!? 特別に扱ってもらってるって何を・・・!? 埼玉県民はMっ気が過ぎるのでしょうか。
話を戻しまして、心の広い埼玉県民だからこそ、この壮大な埼玉ディスりギャグ映画「翔んで埼玉」が成立するのかもしれません。
モリスギ!による腹筋崩壊ポイント5選
ぶっ飛んだストーリー展開に終始飽きることなく笑い続けられる痛快映画『翔んで埼玉』。
少しネタバレにはなりますが、モリスギ!おすすめの腹筋崩壊ポイントを5つ紹介させていただきます。
1.二階堂ふみさんGACKTさんによる、さいたま自虐ワードの連発
ストーリー序盤の「埼玉県民はそこらへんの草でも食わせておけ!」。
美しい二階堂ふみさんから発せられる超パワーワードにくらくらしました。険しい顔の演技からも相当埼玉県民を毛嫌いしているのがわかります。
隠れ埼玉県民であり埼玉開放運動のキーパーソン、麻実麗を演じるGACKTさんまでも、怒りのあまり自虐ワードを炸裂するシーンがあります。
「ださいたま、いなかくさいたま、くちくさいたま・・・」
次々に出てくる埼玉県民のプライドを削ぎ落とす強烈ワードの数々。GACKTさんの美しい出で立ちで徹底的に埼玉をディスっている姿を見るとだんだん笑いがこみあげてきます。
編集長フジタの「ディスられているのに逆に気持ち良い・・・」の真相がわかるような気がしてきます。
2.埼玉以上に、北関東勢の悲しすぎる扱い
作品では、もちろん他の関東勢も登場します。
東京都知事であり崎陽軒のシューマイが大好物である百美の父親(中尾彬さん)。その大御所と蜜な関係にあるのは、都下の神奈川県です。
神奈川県は東京都知事に特別に守られていることもあり、この壮大な茶番劇を高みから見物できる余裕綽々なポジション。
それに引き換え、埼玉以北の扱いと言ったら!
茨城は未踏の地。奥秩父からローカル線に乗り三日三晩走り続けてようやく到着。茨城へたどり着くルートは「常磐線」このたったひとつしかありません。
「気の弱い女性はその地名を聞いただけで卒倒してしまう」が、公式サイトでの茨城のプロフィール。救いようがないです。
群馬はさらに秘境の地。恐竜がまだ活発に生きています。水陸両性の未確認生物の足跡が発見されたと、映画内のニュース番組で紹介されていました。
埼玉をディスっている映画なのに、さらにひどい仕打ちを受けている北関東勢です。
3.埼玉 VS 千葉の、仁義なき有名人出身地合戦
埼玉県民と千葉県民が東京に入るには、通行手形が必須。埼玉と千葉、同じ立場ではありますがはじめはお互いに敵視しあっています。
そこでストーリー中盤に繰り広げられる「流山の戦い」。江戸川を挟んでご当地のいいところをアピールし合って対決し合うこのシーンは、エキストラの尋常でない数と豪華な演出で圧倒されますよ!
壮大なシーンなのに、内容がバカバカしくて腹筋崩壊で気分爽快です。
最大の見せどころが有名人出身地対決。千葉勢が大きなトラックで「館山出身 X JAPAN YOSHIKI」を掲げ宣戦布告。対する埼玉勢、「THE ALFEE 高見沢俊彦 わらび市」の大凧を揚げて応戦。さすがにはじめは何が起きたのか、ポカーン・・・としましたね。
他にも各県出身有名人が登場します。千葉開放運動のキーパーソン阿久津に扮する伊勢谷友介さんに「そんなこと言わせちゃうの!?」と大爆笑できます!ぜひ観てください!
4.ラストシーンで、ようやく埼玉ロケ地登場
『翔んで埼玉』というタイトルだけあって、埼玉のシーンはオール埼玉ロケかと思うじゃないですか。しかし、百美が鎮座する生徒会長室に使われた結婚式場以降、一向に登場しません(泣)
1時間ほどで池袋にも行けてしまうそこそこ便利な埼玉には、目を引くロケ地が少ないのか・・・?埼玉の地名はたくさん出てくるのに、埼玉のロケ地が出てこない矛盾・・・。
しかし、映画の最後の最後に魅せてくれました。
地下通路を颯爽と歩く壇ノ浦百美と麻実麗。地下広場で「日本埼玉化計画」を高らかに宣言するラストシーンでようやくリアルな埼玉の地が登場・・・!大トリです!
ディスりにディスって、ラストに埼玉を持ち上げる。作品の真骨頂を見せらているようです。
まるで地下神殿「首都圏外郭放水路」
ラストシーンの撮影が行われたのは、埼玉県春日部市にある「首都圏外郭放水路(しゅとけんがいかくほうすいろ)」です。
国土交通省江戸川河川事務所が管理している、“洪水を防ぐために建設された世界最大級の地下放水路”。
江戸川事務所公式ウェブサイトに掲載されている図を見ると、千葉から埼玉に渡って全長6.3kmの放水路がつくられています。
(※画像引用:国土交通省 関東地方整備局 江戸川河川事務所「首都圏外郭放水路」より)

この真実を知り、ラストシーンのロケーションに採用された意味合いに重みを感じて感動すら覚えてしまいました。千葉県勢と力を取り合って東京から勝ち取った自由と友愛を象徴しているかのよう。さらには、埼玉県が胸を張って世界に誇れる土木施設 “埼玉遺産” です(考察も茶番です)。
有料で地下見学会のイベントが行われているようです。新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、縮小規模で開催しているようです。お近くの方は見学に行ってみては?
公式ホームページやGoogleマップでも地下の様子を存分に楽しめます。日本が誇る神秘的な土木空間「防災地下神殿」をぜひともチェックしてください。
<施設情報・アクセス情報>
名称:国土交通省江戸川河川事務所 首都圏外郭放水路
住所:埼玉県春日部市上金崎720
アクセス(車の場合):
圏央道「幸手IC」及び「五霞IC」出口から約30分(約15km)
公式Webサイト:「首都圏外郭放水路」
見学会Webサイト:日本が世界に誇る「防災地下神殿 首都圏外郭放水路」
5.エンドロールまで飽きさせない「埼玉県のうた」
(※画像はイメージです)
『翔んで埼玉』は、完璧なまでにエンディングまで埼玉自虐ワールドをつくりこみます。
極めつけの埼玉自虐ソング「埼玉県のうた」。作詞作曲は、元祖ご当地自虐ソングの帝王はなわさんです。

自虐歌詞に合わせた、テンポのいい自虐エピソード動画でエンディングをさらに盛り上げます。
どんなに歩いても 海がない 海だけならまだしも 空港がない
名所もない さらに郷土愛もない だけどアジア一でかい 団地がある
団団団ンダ団団団 団ンダダさいたま
最初っから飛ばしてきますねー! 散々ないない尽くしでテンポよく観客を引きつけて、からのアジア一の団地のオチ!
そうだよね〜!といわんばかりに、いっしょにダンダンダン♪ と口ずさんでしまう中毒性・・・
もちろんライバルは千葉
やたらとやたらと 池袋で遊ぶ
海がないくせに サーファー多すぎ
ドンキが大好き 満喫大好き おやつはゼリーフライ
この章に埼玉のすべてが集約されてます。

埼玉県民の集まる映画館では、ダンダンダン♪ の大合唱が湧き、謎の一致団結感があったとかないとか。それは現地にいた人たちにしかわからない都市伝説です。
おまけ:ドキドキのお色気シーンも・・・
パタリロ!の世界観を知っている方にはおなじみですが、原作者の魔夜峰央先生は美しい男子どうしの愛を描く「BL要素」のある作品を描きます。
もれなく『翔んで埼玉』にもそんなドキドキシーンはありまして。
公開当初から、GACKTさんとあの人による濃厚なラブシーンが話題になりました!
魔夜峰央さんの世界観を表現しなければと、GACKTさんからの提案からうまれたシーンだそうです。
ギャグ要素炸裂の中に妖艶でドキマギした美しいシーンを見せつけられると、やられた!感がありますね。
個人的に、小学生や中学生にはどう映ったのか、気になるところではあります。
まとめ
完全なまでに自虐路線のブランディングを貫き通して世界観をつくりこんだ映画『翔んで埼玉』。
つい「アホか」とつぶやいてしまうほどの最高のロケーションでど派手な対決を繰り広げます。どこを見渡しても見つけてしまうほどの自虐ポイントは枚挙にいとまがありません。
埼玉県民は「どうせ東京より劣っているしー」とどれほど自分たちを蔑んできたのでしょうか。
現実世界を生き抜くとき、自虐で謙遜するシーンは比較的よくあることです。
しかし、「そんなことで満足していいのか?おまえら。魅力はすでにあるんだよ!堂々と生きろよ」と、スクリーン上のGACKTさんは麗というキャラクターを通して、愛あるゲキを飛ばします。
これでもかと積み重ねてきた自虐エピソードが集約された世界観。徹底してギャグにすることで見ているほうは逆に背中を押され、自虐が愛おしさになり魅力と変わって世界が輝きだします。
不思議に自信と郷土愛がわきあがってくる作品です。
ここは、倫理観とか正義感といった道徳感情は、脳内まっさらにして!
世界観の美しさとギャグを真面目にやり切るバカバカしさに大笑いしながらも、埼玉県民の懐の深さを感じて感傷にふけってください。
世知辛い今の時代、あのおおらかな世界をもう一度、と思わず願わずにはいられなくなるのです。
※おまけのおまけ
ロケ地不足な埼玉、深谷市のゆるキャラふっかちゃんの背景が、群馬です(笑)
にょおお〜!Y(o°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥o)Yふっかちゃんにとっては麗様が #最優秀主演男優賞 だよぉY(o°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥o)Y#日本アカデミー賞 #日本アカデミー賞43 #翔んで埼玉🌱#ふっかちゃん #麗様 #GACKT #深谷市 #世界埼玉化計画 #世界深谷化計画 pic.twitter.com/7Pa2bxlKRE
— ふっかちゃん (@fukkachan) March 6, 2020
参考サイト:
・映画『翔んで埼玉』公式Webサイト
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