【首都圏外郭放水路(見学OK)】埼玉が世界に誇る防災地下神殿。伝説のロケ地は、大雨から人々を守るための施設だった

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こんにちは!モリスギ!編集部のナナです。

今回は、モリスギ!で紹介してきたロケ地の中でも特に強烈な印象が残っている場所をご紹介します。

その場所は、春日部市にある「首都圏外郭放水路(しゅとけんがいかくほうすいろ)」。映画『翔んで埼玉』ラストの演説シーン、映画『映像研には手を出すな!』のロボット対決シーン等に登場する異次元の空間。

実態は、“治水施設”として地域の人々を大雨の災害から守っている、国土交通省が管理している施設なんです。

施設の魅力をもっと掘り下げたく、施設については国土交通省 関東地方整備局 江戸川河川事務所の三浦さん、施設の一般見学会の様子は東武トップツアーズ株式会社の小池さんに、詳しいお話をうかがいました!

◆お話をうかがった人①
国土交通省 江戸川河川事務所
三浦さん
「首都圏外郭放水路」の地域連携ご担当。「首都圏外郭放水路」を地域のシンボルとして地域振興に繋がる利活用を図るため、自治体や民間と連携しながら利用方法等について調整を行っている。

◆お話をうかがった人②
東武トップツアーズ株式会社
小池さん
首都圏外郭放水路事務局ご担当。
見学会の受付や、参加者の当日サポートをされている。

◆「首都圏外郭放水路」ロケ実績
● 映画『翔んで埼玉』(2019年)
● 映画『映像研には手を出すな!』(2020年)
● 特撮作品『仮面ライダー』シリーズ 他多数

「首都圏外郭放水路」は、大雨による洪水を防ぐための治水施設

ロケーションとして壮大なスケールを誇る「調圧水槽」。大雨の際には大量の水を取り込む役割を果たしています(※画像:江戸川河川事務所提供)

 

ーー改めて「首都圏外郭放水路」はどういった施設なのでしょうか。歴史や役割を教えてください。

江戸川河川事務所:三浦さん
「首都圏外郭放水路」は、河川の洪水を防ぐための施設
です。1993年(平成5年3月)に工事がスタートし2006年(平成18年)6月に完成、約13年の年月を経て完成しました。

役割としては、大雨の際発生した大量の雨水を取り込むことです。 中川(起点:羽生市)、倉松川(起点:幸手市)、大落古(おおおとしふる)利根川(起点:久喜市)など中小規模の河川の増水した水を、地下トンネルを経由してゆとりのある江戸川へ排水することで、流域周辺の土地への浸水被害を防いでいます。

地下トンネル(※トンネルは見学会コースには含まれていません)(※画像:江戸川河川事務所提供)

 

中川・綾瀬川流域の土地の特徴に、「土地が低く水がたまりやすいお皿のような地形」「川の勾配がゆるやかで水が海まで流れにくい」ことが挙げられます。そのため、これまで何度も洪水被害を受けてきたという歴史があります。

また、近年では都市化が急速に進み、地表がアスファルト等で舗装されていると水が土の中にしみこみません。ですので、洪水が発生しやすい条件がそろっていると言えます。

2006年に首都圏外郭放水路が完成したことで、周辺地域で洪水が原因で浸水する家屋の戸数や面積は大きく減少しました。

建設当時の地下トンネル。膨大な水量を取り込みます(※トンネルは見学会コースには含まれていません)(※画像:江戸川河川事務所提供)

 

ーー2021年の夏も長雨に悩まされ、住民のみなさんはさぞ不安だったことと思います。実際にどのくらいの水量を貯め込めるのでしょうか?

江戸川河川事務所:三浦さん
2019年10月に到来した台風19号の際には、1,218万立方メートル、わかりやすく言うと東京ドーム約10杯分もの水量を取り込み、江戸川に排水したという記録があります。

昭和57年9月の台風被害と比較すると、中川・綾瀬川流域で当時より1.1倍の降雨量があったのですが、浸水戸数は約9割軽減されました

ただこの数字は「首都圏外郭放水路」のみの効果だけでは計れません。都や県、市町村が建設した堤防やその他放水路、貯水池などの治水施設が少しずつ整備されたことも相乗効果を生んだことで、浸水被害を大幅に軽減できています。

 

映画『唐人街探偵 東京MISSION』のロケ地にも。撮影時は入念に気象情報をチェック

調圧水槽から臨む立坑。ミステリアスなシーンをよりシリアスに演出する効果も(※画像:江戸川河川事務所提供)

 

ーー「首都圏外郭放水路」は住民にとって雨天時に命を守ってくれる心強い施設というわけなんですね! そんな大きな機能を果たしている施設が映画やドラマのロケ地として登場していますが、なぜロケ地提供されているのでしょうか。

江戸川河川事務所:三浦さん
施設の有効活用
はもちろんのこと、ロケ地として提供することで「首都圏外郭放水路」を幅広い層に知っていただけます。存在を知った方が施設の機能も知り、防災意識を高めていただくきっかけにもなると考えているからです。また、施設を訪れていただくきっかけになると考えており、地域の活性化に繋がることも期待しています。同じ理由で、一般向けに見学会も行っています。

最近ロケ地提供した作品は、2021年7月9日(金)に公開された中国映画『唐人街探偵 東京MISSION』です。撮影自体は2019年8月に行われました。

※予告編35〜37秒あたりに「首都圏外郭放水路」が登場

(C)WANDA MEDIA CO.,LTD. AS ONE PICTURES(BEIJING)CO.,LTD.CHINA FILM CO.,LTD “DETECTIVE CHINATOWN3”

『唐人街探偵 東京ミッション』のロケ地マップにも掲載していただいています。
>>>『唐人街探偵 東京MISSION』ロケ地マップ デジタル版

まるで秘密結社のアジトのような空間(※画像:江戸川河川事務所提供)

 

ーー映画ともなるとロケ現場に多くの人や機材を運び込むことになります。「首都圏外郭放水路」は地下施設のため危険も多いかと。ロケーション提供や撮影時の立ち合いなどの際はどんなことに気を配っていますか?

江戸川河川事務所:三浦さん
事故などに繋がる危険箇所への立ち入りがないように、ロケ現場には必ずスタッフが立ち合います。みなさんの安全確保のために撮影状況には注意深く気を配っています。

「首都圏外郭放水路」は治水施設であるため、集中豪雨などにより施設への洪水の流入がいつあってもおかしくありません。そういった場合に備え、河川の水位や気象情報には常に気を遣っています。

例えば、河川から施設に流入が始まった時点で、利用者のみなさんには地上部へ退避を開始していただきます。また、資機材が流されると治水施設に損傷を与えるおそれもあるため、早急に撤去を完了していただくことが必要となります。

なお、施設の利用にあたっては、退避計画などを含めた「使用計画」を事前に審査をします。施設内は火気厳禁となりますので、安全のため持ち込み資機材もチェックさせていただいています。

 

ーー大勢のエキストラが登場するようなロケ撮影の立ち合いは、利用者の安全重視だからこそ緊迫した雰囲気で臨むのですね。制作を支える裏側を知ると、また違った視点で映画やドラマを楽しめそうです。

 

一般見学会を毎日開催。まるで探検家!「首都圏外郭放水路」をリアルに楽しむ

「調圧水槽」内を歩く見学会参加者。人のサイズと比較すると施設の大きさに驚きますね(※画像:江戸川河川事務所提供)

 

ーーロケ地としてインパクトのある「首都圏外郭放水路」は、一般見学会が行われています。いつから開催されているのでしょうか? また一般公開が難しそうな施設ですが、見学会を企画することにいたった経緯を教えてください。

江戸川河川事務所:三浦さん
現在の東武トップツアーズ株式会社さんの運営による見学会は、2018年より毎日開催しています。(※中止の際は、事前連絡あり)

それまでは、防災に関する意識を高めるためや洪水を防ぐことを目的とする治水事業への理解を深めていただくといった“土木広報”の視点で、一般の方を対象とした見学会を国の運営で実施していました。

首都圏外郭放水路の外観「庄和排水機場」(※画像:江戸川河川事務所提供)

 

その中で、2016年3月に政府が推進する施策「明日の日本を支える観光ビジョン」において、「魅力ある公的施設・インフラの大胆な公開・開放」が掲げられました。

それがきっかけとなり「首都圏外郭放水路」を地域の観光資源として利活用を図ることになりました。地元春日部市さんのご協力のもと「利活用協議会」を立ち上げ、2018年から現在の民間運営による見学会を行っています。

 

リピート率は7割!見学会は4コースと充実した内容

2021年7月17日に新設、すでに大人気「インペラ探険コース」(※画像:江戸川河川事務所提供)

 

ーー“大胆な公開・開放”の名前の通りですね! 普段目にすることのできない専門的な施設を見学できることはとても貴重な機会だと思います。見学会にはどんなコースがあるのでしょう?

東武トップツアーズ株式会社 小池さん:
「気軽に参加できる!地下神殿コース(調圧水槽)(約55分)」「深部を探る!ポンプ堪能コース(約100分)」「迫力満点!立坑体験コース(約110分)」「見どころ満載!インペラ探検コース(約110分)」の4コースがあります。

はじめての方は、調圧水槽の「地下神殿コース」がおすすめです。リピーターの方には「立坑体験コース」と2021年7月17日に新設した「インペラ探検コース」が人気ですね。ヘルメット、ヘッドライト、ヒップウェーダーを装着するのでより探険気分が味わえるのも魅力のひとつとなっています。

地下深くに掘られた立坑。スリル満点です(※画像:江戸川河川事務所提供)

 

見学コースではすべて建物の外からスタートするのですが、この外から内への環境変化が「探検しにいくぞ!」というワクワクした気持ちを駆り立てます地下への階段が116段あり、一段一段降りていくごとにひんやりした空気に変わり、夏場は天然の冷蔵庫のようでとても気持ちいいんですよ。

地下への階段、感じるにおい、肌にふれる冷たい空気、そして独特の空間。日常を忘れさせてくれるとても稀有な場所です。

首都圏外郭放水路地底探検ミュージアム「龍Q館」で見学可能な操作室。『仮面ライダービルド』では政府司令室として登場(※画像:江戸川河川事務所提供)

 

ーー見学会に来られる方は、どういったきっかけで施設を知って、どんな方がいらっしゃるのでしょうか?

東武トップツアーズ株式会社 小池さん:
川のそばに住んでいる人や、葛飾区や荒川流域の水害が起こりやすい地域にお住まいの方、地域の防災会の勉強会などで参加される方が多いですね。

もちろん、映画やドラマ作品などの聖地巡礼やテレビ番組や新聞などで「首都圏外郭放水路」が紹介されて「いったいどんなところなのだろう」と関心を持たれて申し込みされる方もおられます。参加者の70%は関東の方です。

2019年は約54,000人もの方が見学にいらっしゃいました。そのうち約3,600人の方が外国の方です。特に雨季のあるアジア圏の方が多いですね。自国にも雨を取り込めるような施設をつくりたいと視察として来られています。

 

ーー海外からも注目されている施設なんですね! 見学した方はどんな感想を?

東武トップツアーズ株式会社 小池さん:
特に歓声のあがるポイントがありまして、調圧水槽の柱の色が変わっているところですね。「この高さまで水位があがったのか!」と驚かれる方がとても多いです。

柱の変色は、膨大な水量を取り込んだ根跡(※画像:江戸川河川事務所提供)

 

川のそばにお住まいの方にいたっては「首都圏外郭放水路」という存在自体を知らなかったと。見学会をきっかけにガイドによる説明がわかりやすく理解がしやすかった、こんな近くに水害から守ってくれる施設があるという意識を持つことができてうれしいという声もまた多く寄せられます。

小さなお子さんは、春日部市の小学校の社会科見学で訪れたのをきっかけに「もっと知りたい!」と夏休みの自由研究の題材にするために来てくれました。後日できあがった自由研究を持ってきてくれて、とてもうれしかったですね。

また、仮面ライダーなどのロケ地として幾度か登場しており、「仮面ライダーシリーズでよく見る場所なので、ずっと来てみたかったんですよ」とぬいぐるみを持って撮影を楽しむ方もたくさんいらっしゃいます

首都圏外郭放水路地底探検ミュージアム「龍Q館」の展示室。開館時間に、自由に見学可能です(※画像:江戸川河川事務所提供)

 

ーーこれから見学会を検討している方に向けて、「ぜひここは注目してください」という箇所はありますか?

江戸川河川事務所 三浦さん:
首都圏外郭放水路の魅力は、“地下神殿”の由来でもある巨大な地下空間に林立する「柱」です。季節ごとの地下空間の湿度の影響で、柱の見え方も変わります。その時々で変化するたたずまいに注目して見学を楽しんでいただけると幸いです。

強固な柱が神秘的なオーラを放ちます(※画像:江戸川河川事務所提供)

 

また、2021年7月より、地下神殿の最奥部にある地下に取り込んだ洪水を江戸川へと排水するためのポンプの羽根車(インペラ)を見学する新たなコースを増設しました。水辺を歩くなど探検をするようなワクワク感が魅力です。関心のある方はぜひご参加ください。

ポンプの羽根車(インペラ)(※画像:江戸川河川事務所提供)

 

ーー「首都圏外郭放水路」の魅力を発信するため、他にどんな活動をされていますか?

東武トップツアーズ株式会社:小池さん
見学会専用のTwitterアカウント
を開設しています。施設内の様子や、見学会日時の予定などをリアルタイムで発信していますので、フォローして最新情報をチェックしていただけるとうれしいです。

江戸川河川事務所:三浦さん:
春日部市さんが「映える、食べる、防災地下神殿」のキャッチフレーズでプロモーション動画等を制作配信し、地域振興に取り組まれています。“カメラ女子”の視点で「首都圏外郭放水路」が紹介されています。ぜひご覧ください。


(C)KasukabeCity

 

ーー最後に、三浦さん、小池さんから、読者のみなさんへメッセージをどうぞ!

江戸川河川事務所 三浦さん:
はじめて施設を見たとき、「首都圏外郭放水路」の壮大なスケールに感動しました。施設の存在を知っていただき同時に洪水を防ぐための施設の重要性と防災について意識していただけましたら幸いです。地下空間の圧倒されるような巨大さと神秘的な景観に感動していただけると思いますので、ぜひご来訪ください。

東武トップツアーズ株式会社 小池さん:
存在自体は知っているけれど、実際に内部をご覧になっていない方がとても多い「首都圏外郭放水路」。地上は日常的な空間、地下に降りるとまったくの異空間というのが大きな魅力です。壮大な“防災地下神殿”を体感しにいらしてくださいね!

 

ーー三浦さん、小池さん、貴重なお話をおうかがいし、ありがとうございました!

 

あとがき

映画やドラマで最高のロケーションを魅せてくれる「首都圏外郭放水路」。 流域に住む人々を水害から守るための大切な役割を果たす施設でした。

世界からも注目される治水施設、まずはGoogleマップでのバーチャル観光から楽しんで、コロナ禍が落ち着いたら五感フルで「首都圏外郭放水路」を体感しに行ってみてください。

同時に、防災への意識も高めていきましょう!

◆「首都圏外郭放水路」見学会詳細&申し込み
“防災地下神殿”公式サイト

◆国土交通省 江戸川河川事務所
イラストや図とともに、詳しく施設について知ることができます。
「首都圏外郭放水路」公式サイト

◆施設概要
施設名称:首都圏外郭放水路
住所: 埼玉県春日部市上金崎720
(国土交通省 関東地方整備局 江戸川河川事務所 首都圏外郭放水路管理支所)

◆「洪水疑似体験ARアプリ」(国土交通省 江戸川河川事務所作成)
「首都圏外郭放水路」の「調圧水槽見学会」をバーチャル体験できます。見学会に含まれない地下トンネルや流入立坑へ洪水が流入する様子が見られますよ。
Google Play ダウンロードサイト

Apple Store ダウンロードサイト



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